こんばんは。昨日は、運命と宿命についてお話しさせていただきました。話足りないので、引き続きお話しさせてください。
私の父は、9人兄弟の長男として生まれました。戦中、戦後に多感な時期を過ごし、兄弟の多い中いろいろと悩みは尽きなかったみたいです。真面目で、勉強好きだった父は、進学を希望していましたが、結局諦めざるを得なかったみたいです。渋々祖父の商売を手伝うことになり、その後自分で道を切り開いていくことになりました。
魚の仕入れルートはあったものの、仕入れたものを加工したり、ギフト用に包装を整えたり、一般企業へ売り込みに行ったり、まさに一からコツコツと切り開いていったことは、並大抵の努力ではなかったと思います。
おまけに父は要領が悪く、不器用な人間でした。でも、本人もそれがわかっているからこそ人の何倍も努力をしたし、苦労も惜しまなかったみたいです。
武骨で真面目だけが取り柄の父でしたが、その人柄を気に入ってくださる人も多かったみたいです。あまりの熱心さに根負けし、注文してくださる方もいたと聞いています。そんな父のことを一旦気に入ってくださると、とことんまで末永くお付き合いをしてくださいます。ありがたいことです。
私と父の大きな違いはそこにあります。私の周りには、そんなお客さんがどれほどいるのかと考えた場合、寂しい限りです。ここに、一からすべてを切り開いていった者と、すでに敷かれているレールの上を、自分のペースで悠々自適に歩んでいる者との違いなのだと思います。
父も商売を成功させる間に、いろんな転換期があったことと思います。運命を変えるような人に出会ったのかもしれません。父は、どんな逆境に立たされても決して諦めなかったし、努力を続けました。きっと自らの運命も知らず知らず、切り開いていったのだと思います。
そんな父も「癌」の運命には逆らえなかったようです。毎年人間ドックに入っていた父でしたが、癌になってしまいました。結果論になりますが、人間ドックも所詮基礎検診ですから、父も本気で病気の早期発見を考えていたのなら、やはり年に一回は胃カメラや大腸カメラ、CTや超音波の検査を受けていたほうが良かったのかもしれません。
私は父のように強くはありません。でも経営者として、父の思いを汲みながら後を任されている一人の人間として、男としてもっともっと強くならなければならないと思っています。そして周りへの感謝の気持ちをを忘れることなく、自分の運命を切り開けるくらいの力を身に着けておかなければと思っています。
この場合の力とは、パワーの意味ではなく、人としての魅力であったり、優しさであったり、謙虚さであったり、相手を思いやる心であったりすると思います。やはり、人間は一人では生きていけません。周りに支えられていることをもっと実感しながら生きていくべきだと思います。
そうすることで周りに気遣いができて、自分のことも理解してもらえます。そして、いつかは自分に対して気遣ってもらえます。自分一人ではどうにもならない運命をいつの間にか周りと一緒に切り開いていってるかもしれません!!
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