こんにちは。連日猛暑日が続き、災害現場の復旧作業にも影響が出ています。現場の衛生状況も悪いだろうし、熱中症で倒れる方も増えています。この猛暑の中での先の見えない作業は、肉体的にも精神的にもかなりしんどいことと思います。
報道によりますと、以前大きな災害が起きた神戸、東北、熊本からも多くの方が恩返しにと、ボランティアに来られているようです。”お蔭さま、お互いさま”と言う日本人の美しい心が生きているなって感動します。
自然の猛威の前では、人間は無力です。起こる予測はある程度出来ても、襲ってくるスピードとか具体的なエリアなど詳細まではわかりません。だから、人間が事前に出来ることをやらなければならないのです。
被害は、建物やインフラを破壊するだけではありません。農作物や水産物など、自然の恩恵を受けて育つようなものは、こうした災害には一番に影響を受けてしまいます。
特に出荷前の白桃やマスカットなどは、この豪雨によって根っこがかなり痛めつけられています。水分を必要以上に吸ってしまい、おまけに猛暑日が続いてしまうと変形した桃が増えてしまったり、肉質も悪くなり、糖度も下がってしまいます。マスカットのようにハウスの中で温室栽培しているようなものでも、湿度が必要以上に上がってしまい、裂果の原因となります。
お客様には詳細をお伝えして、品種を替えてもらったり、商品を替えてもらったりしなければならないと思っています。白桃や葡萄などを作る生産者は、収穫が終わると来年に向けて土作りから始め、その一環として礼肥と呼ばれる肥料をまきます。こうして1年近くかけて丹精込めて育てた白桃や葡萄も、収穫前の自然災害によって収入が激減になってしまいます。
いくら栽培技術があったとしても、知識があったとしても、天候次第では毎年同じ質のものが同じ量だけ出来ることは不可能なのです。
自然の恩恵を受けた果物や魚介類を仕入れて販売することを生業としている弊社は、もっともっと自然の恵みに感謝しなければならないのだと思います。それと同時に、新鮮で美味しい物が出来るのは、偶然の結果ではなくて、必要な時に必要な自然の恵みがあり、また生産者の細やかな作業によるものだと感謝しなければならないと思います。
長い人生の中でいろんなことが起きます。良いことばかりはなく、悲しいことも多いと思います。しかし、起きてしまったことにいつまでもくよくよしていても仕方ありません。人に降りかかった悲しいことを自分でなくて良かったと思うのではなく、自分に出来ることを相手にしてあげて、自分のこととしてとらえて生きていかなくてはいけないんだと思うのです。そして自分に悲しいことが降りかかったら、一人で背負うのではなくて、周りに助けてもらいながら、周りに感謝しながらしっかりと前を向いて生きていかなくてはと思うのです。
この度の災害は本当に悲惨な出来事ですが、学ぶべきこともたくさんあったと思います。
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